カナダはご存知アメリカ合衆国の上に位置する寒ーい国。アメリカのお隣ということもあり、かなりアメリカンポップスに近しい文化を持つ国だ。

17の頃にカナダに一年留学していたこともあり、カナダは第二の故郷ともいえる(いえない)。滞在したのは東海岸の小さな小さな町で、フランス語と英語が入り混じる不思議な雪まみれの町。2008年に一年いたので当時ラジオからは売り出し中のレディーガガがヘビロテだった。またカナダにいたときは二度ライブにも行った。カナダのポップクイーン、アヴリル・ラヴィーンとシンプルプランの二組。アヴリルはちょうど全世界で大ヒットしたアルバム「the best damn thing」の凱旋ツアー中で、そのひとつで私の住む小さな町にも来たのだ。そのころはまだサム41(こちらもカナダのポップパンクバンド)のボーカルデリックと夫婦をしていた頃(現在は離婚、アヴリルはニッケルバック〈こちらもやはりカナダのロックバンド〉のボーカルチャドと結婚)で、その日のライブにもシークレットゲストで登場して二人でサム41の名曲「In too deep」を熱唱していた。

まあそんな個人的な話もしたくなるくらい思い入れのあるカナダの音楽について掘り下げてみたい。

 

歴史

カナダの歴史についてまずは軽くご紹介。でもこのサイトは文献に使えませんよ。wikipediaから引っ張りまくってきてるので。

カナダ(英・仏: Canada、英語発音: [ˈkænədə] 聞く[ヘルプ/ファイル] キャナダ、フランス語発音: [kanada] キャナダ、カナダ)は、10の州と3の準州を持つ連邦立憲君主制国家である。イギリス連邦加盟国であり、英連邦王国のひとつ。北アメリカ大陸北部に位置し、アメリカ合衆国と国境を接する。首都はオタワ(オンタリオ州)。国土面積は世界最大のロシアに次いで広い。
歴史的に先住民族が居住する中、外からやってきた英仏両国の植民地連合体として始まった。1763年からイギリス帝国に包括された。1867年の連邦化をきっかけに独立が進み、1931年ウエストミンスター憲章で承認され、1982年憲法制定をもって政体が安定した。一連の過程においてアメリカと政治・経済両面での関係が深まった。第一次世界大戦のとき首都にはイングランド銀行初の在外金準備が保管され、1917年7月上旬にJPモルガンへ償還するときなどに取り崩された。1943年にケベック協定を結んだ(当時のウラン生産力も参照)。1952年にはロスチャイルドの主導でブリンコ(BRINCO)という自然開発計画がスタートしている。結果として1955年と1960年を比べて、ウラン生産量は約13倍に跳ね上がった。
立憲君主制で、連邦政府の運営は首相を中心に行われている。パワー・コーポレーションと政界の連携により北米自由貿易協定(NAFTA)に加盟した。

もっと簡単にパッと見てわかるように言うと、フランスの植民地だったのでフランス語と英語が公用語になっている国でめちゃ寒い。てこと。

 

文化

カナダの文化ときいて思いつくのはやはり「赤毛のアン」だろうか。私も赤毛のアン発祥の島、プリンスエドワード島の近くに住んでいたので何度か足を…運んでない。

※wikipediaより引用

他にはやはりフランス文化もあいまって独特な文化を形成しているものが多い。映画ではモントリオール映画祭が有名だ。私の大好きな映画監督、グサヴィエドランもカナダ出身。
さて本題に入りましょう。カナダの音楽って?まずはカナダのヒットチャートを見てみましょう

音楽

ヒットチャートからみる

とりあえずカナダの2017年ビルボードヒットチャートを25位まで載せてみた。

2位のLuis Fonsiはプエルトリコ出身だがJustin Bieberがフィーチャリングしたことで話題に。

あとはEd Sheeranがイングランド、The chainsmokersがアメリカ、French Montanaもアメリカ、と続く。そして第6位におまたせカナダが生んだ2010年代のポップスター、The Weekndがフランスのエレクトロデュオ、Daft Punkとコラボした「starboy」がランクイン。また16位にはShawn Mendesがランクイン。カナダお得意のポップソロシンガーだ。アメリカと物理的な距離の近さからか、ネットで火が付くとすぐにアメリカに輸出されるのでイケメンお兄さん登場しがちである。

と、おおまかにカナダ出身者を挙げてみたが、そんなにいないことがわかる。カナダでもメインカルチャーはやはりアメリカだそう。いかに日本の音楽業界が独特であるかが分かる。

部門で分ける

シンガーソングライター部門

先ほども言ったように、カナダにはポップソロミュージシャンが多く知られている。その一部を紹介する。

Justin Bieber

ご存知カナダが生んだ世界的トップスター。トラブルメイカーとしても有名だったが近年は落ち着きを取り戻し、「purpose」では高い評価も得て、今や良曲を生み出すトップミュージシャンに返り咲いている。はっきり言っておくけど、what do you mean?をクラブで簡単に消費してるパリピ、舐めんなよこの曲。

おすすめ

What Do You Mean?
Boyfriend
Beauty And A Beat ft. Nicki Minaj

 

Carly Rae Jepsen

「Call me Maybe」で大ヒットを記録したのも記憶に新しい彼女。初めはまたくだらない歌手が出てきたと辟易としていたのだが今では単独に行くほどの大ファン。うう。だってよすぎるんだもん。その愛については昔アメブロで書いたのでそちらをチェックしてほしい

ちょっと真面目にCarly Rae Jepsenを過大評価する回

 
おすすめ

Call me Maybe
Good Time
Run Away With Me

Caribou

Dan Snaithのソロプロジェクト。上二人に比べると知名度も闘うフィールドも違うが、非常に評価の高い作曲家。
柔らかなエレクトロを作る人で、他にも名義はあるがこの名が一番通っている。

アルバムの最後の曲にも美しい憂鬱の感覚がある。歌は空中を舞って、衝突して落下するように消える……ダンス・ミュージック特有の強烈なはかなさが漂う。もういちど、この独創的なカナダ人の音楽に耳を傾けてみようと思う。

おすすめ

Our Love
Yeti
Odessa

 

Shawn Mendes

ショーンメンデスと読むため、来日の際は案の定「正面です」と言わされるShwan Mendes。その滑り具合に気の毒のほかに言葉が浮かばないのだが、彼もまた大量生産のポップソロシンガーの一人である。その端正な顔立ちとハスキーな歌声でvine上で話題になりそのままデビュー。まだ19歳と若き次世代のホープ。これからの活躍に期待がかかる。

おすすめ
Treat You Better
There’s Nothing Holdin’ Me Back
I Know What You Did Last Summer

 

Avril Lavigne

やはり彼女抜きでカナディアンロックは語れない。日本でも絶大なる人気を博し、女性ソロパンクロックシンガーと言えばもはや彼女の代名詞となってしまった。いまやパンクの面影もないが。私も姉の影響でアルバム「let go」は何度も聴いていたし、前述の通りカナダで単独を見るなど、思い出の多いアーティストの一人である。そして何かと悪口を言われがちな3枚目のアルバム「the best damn thing」が割と好きだ。ポップすぎるが、初期と切り離して聴けば非常に明るくノリノリで、「I don’t have to fly」から「Contagious」までの流れはいつ聴いても気分が高揚する。ちなみに近年の作品には全く手を出していないし、カワイイを連呼するMVはさすがにキツかった。余談だが妹はONE OK ROCKのベーシストと結婚している。

 
おすすめ

My Happy Ending
Girlfriend
What The Hell

 

Grimes

こちらは独特なセンスと一度聴いたら忘れられない音楽を届けるソロプロジェクト、Grimes。今「知らねえよ」って言った人、こら、気をつけなさい。結構人気ある知名度の高いアーティストです。日本ではほとんど報道されないけれど、イギリスなどで高く評価されているんです。個人的な出会いはセカンドアルバム「Halfaxa」でした。妖精みたいな曲だ、とずいぶんショッキングだったのを覚えています。ちなみにスコットランドのバンド、Chvrchesのボーカル、ローレンが登場するまで外人アーティストのロリ担当はGrimesでした。何の話だ。

 
おすすめ

Oblivion
Dream Fortress
Crystal Ball

 

Feist

2017年には単独来日も果たしたファイスト。名前は通以外知られていないが、曲は意外と知っている人は多いかもしれない。CMソングとして一時期流れていたので、耳にしたことある!ってなったらもうそこは彼女の世界の入り口。入り込めばいい。そして心酔すればいい。気持ちよい世界へ。

おすすめ
Pleasure
I Feel It All
1234

DRAKE

カナダナンバーワンのラッパー、Drake。残念ながら私は彼を一切通ってなくて、名前しか知らない状態。今回初めてちゃんと聴きます。ただ去年の作品「More Life」は聴いていて、2017年間ベストアルバム50にもランクインしている。
うーん、彼について語ることがない笑。でもいま聴きながら執筆しているんですが、思った以上にかっこいい。なぜ聞いてこなかったんだろうと不思議に思う。まあドレイクを知ったのは高校生大学生くらいの時で、その時はロックバンド以外聴く耳もっていなかったから、仕方ない部分はある。今だからこそ良さが分かるってのもあると思います。あ、でも「Hold On, We’re Going Home ft. Majid Jordan」は大好きでよく聞いていた!あれ、ドレイクの曲だったのか。。。意識していなかった笑

おすすめ
Energy
Started From The Bottom
Hold On, We’re Going Home ft. Majid Jordan

deadmau5

売れっ子DJ。流行のEDMが嫌いな人。DJのわりによくしゃべって大体誰かの悪口という稀有な人。でも曲はかっこいいのでお墨付き。結構一筋縄ではいかない音楽を作る。激しいエレクトロはあまり聴かないけど彼は別。

おすすめ
Strobe
Not Exactly

The Weeknd

カナダはまれにこういう本気でヤバイひとを送り出してくる。次世代のR&Bを背負って立つソロミュージシャン。日本でも大人気。もう海外のフェスではトリを任されるほどに。いま最もノリにノッているカナディアン。世界はもうこの音楽の虜である。この男、今知らないのはダサいぜ。ちなみに筆者はそれほど知らない。

おすすめ
I Feel It Coming ft. Daft Punk
Can’t Feel My Face
Secrets

Mac Demarco

最後はマクドナルドみたいな名前の人。失礼な、新進気鋭のニューカマーです。2012年にリリースしたアルバムがピッチフォークから評価を受け一気に音楽マニアからの支持を受けました。「カナダ ミュージシャン」と調べても彼の名前を挙げているサイトはなかったので、しめしめと思いつつ。ブルージーでちょっと古めなアメリカンスタイルが今の日本のプレイバックブームにぴったりで、ネオン管とか大好きな女子にウケがいいはず。2017年にもアルバムを出しましたが、私はまだ未聴だったのでこの機会に聴いてみました。安定した作風ですがなお気怠さとクールさを増したイカすアルバムでした。ぜひ。

おすすめ
Ode to Viceroy
this old dog
Let Her Go

 

バンド部門

MAGIC!

「RUDE」で一世風靡したオシャレなバンド。まだ2014年にデビューしたばかりなんですが一発屋にもほどがあんだろ、って言われかねないのでなんとかしてください。ただそれでも良いくらいにrudeがいい。素晴らしいにつきます。こんな曲一曲でも書けたら十分すぎる。そういえばレゲエって日本では流行らないのだろうか。西野カナあたりが果敢に挑戦してもらいたいもの。きっとハマれば女子にウケるはず。

おすすめ
Rude
No Way No
Don’t kill the Magic

 

Simple Plan

でましたポップロックの帝王。バカにしてない。カナダでライブも見た。ワンオクとのコラボも聴いた。多分あのコラボをワンオクがやってるからではなくシンプルプランがやってるからという理由で視聴した人間は私以外でそう多くないと思うが。聴きやすさナンバーワン、歌いやすさナンバーワン、発音の簡単さナンバーワン。10代男子がこれを通らないなんてありえない。まずはここから。すべてはここから。これ抜きでまずラモーンズとかいくやつとは好きになれない。純朴な一面も見たいんだよ。バカになれよ。

おすすめ
I’d Do Anything
Shut Up!
Can’t Keep My Hands Off You ft. Rivers Cuomo

Sum41

いかにも2000年代初頭って感じのバンド、サム41。何度も言うようにアヴリルラヴィーンの元夫で、何度も来日ライブを行う日本想い()のバンドです。彼らの特徴と言えばまくしたてるようなラップやメタル要素の強いリフだろう。やはり代表的なアルバム「All Killer No Filler」は私もよく聞きます。4枚目のアルバム「Underclass Hero」の「Speak of the Devil」はカナダ留学当時に無理くり聴かされて以来すっかりお気に入りの曲になった。まだ日本でのライブは見たことがない。サマソニなどの来日公演も多いのだが、チャンスがあまりない。機会があればもう一度見てみたい。世界に誇れるモンスター級のパンクバンド。

おすすめ
We’re All To Blame
Fat Lip
War

Arcade Fire

媒体によってどんな音楽が評価されるかは大きく変わる。Arcade Fireはおそらくティーンに愛されるようなメディアではあまり触れられないが、カントリー要素やブルースが21世紀のロックと融合した新しい感覚の音楽であることを高く評価するローリングストーンズみたいなものもある。彼らの出身はケベックで、カナダの中でもとくにフランス要素の強い地域で、昔から独立心の強い地域である。そんなカナダの中のフランス(フランスと一緒にされることも彼らは嫌う)から生まれたバンドはグラミー賞に何度もノミネートされるビッグバンドへと成長した。おすすめアルバムは売り上げも一番多い「The Suburbs」が最もとっつきやすくたのしいはず。詩的な表現が多くゆっくりと聴くのに向いたバンド。

おすすめ
Everything Now
The Suburbs
Reflektor

Death from Above 1979

重ためだけど踊れる音楽を奏でるバンド。ギターがいないのが特徴。結成して話題になってすぐ解散してしまうも数年後再結成。去年も新曲を出してファンを喜ばせていた。ガレージサウンドのような、狂った電子音のような、カオスな世界観がけっこう男心くすぐる。

おすすめ
Blood On Our Hands
Freeze Me
Sexy Results

 

Nickelback

彼らの思い出はカナダにいたときに仲良くなった韓国人に「Dark Horse」のアルバムをもらったこと。当時は微塵も興味なかったけれど、帰国してから聴いたらめちゃめちゃ聴きやすくてキャッチーでヘビーで楽しいことに気付く。メタルとかハードコアは基本聴かないから、あれぐらいポップでライトなものがいい。そういえば大学生の時サークルの同期と後輩の3人で武道館ライブ誘われて行った。いいダサさなんだよ。「Photograph」の冒頭の歌詞「Look at this photograph」から始まるダサさ。素晴らしい。

おすすめ
Photograph
Next Go Round
Never Gonna Be Alone

 

BADBADNOTGOOD

ヒップホップやジャズやダブステップにも近いような生々しいビートを刻むバンド。そのままバッドバッドノットグッドと読む。soundcloudで見つけて以来大ファンなんだけれどもまだ生で見たことがない。フジもサマソニも単独もやっているのに。残念極まりないけど、またいつか機会があると信じて。

おすすめ
Hedron
Can’t Leave the Night
Speaking Gently

ネクストブレイク部門

Alone I Walk

まだEPを二枚しか出していないアコースティックデュオ。力強い歌声ときれいなハーモニーが魅力的で、ちょっとサウンドにジャスティンっぽさも感じられるのは個人的な感想。
バンドキャンプで売ってるので気に入った人はぜひ投げ銭を。→Alone I Walk(bandcamp)

おすすめ
because It’s you
Be yourself

Bronswick

ケベックの女性ボーカルを迎えたエレクトログループ。フレンチポップに属する。耽美で奥行きのあるシンセサイザーが森林に迷い込んだかのような気分にさせる。でもよくあるウィスパーボイスじゃなくてしっかりと歌い上げているところも高評価。
こちらもバンドキャンプでどうぞ→Bronswick(Bandcamp)

おすすめ
Un degré de Séparation
Nuit Numéro Un

Japandroids

こちらは多少有名。数年前に海外メディアに結構評価されたこともある。しかしそれ以来リリースの音沙汰がない。私が知ったのは去年なのではやく新譜が聴きたい。
おすすめ
North East South West
The House That Heaven Built

the courtneys

ネクストブレイクの呼び声高いthe courtneys。バンクーバーから出てきたスリーピースバンド。全員がキュートな女性だけど鳴らす音は骨太。2017年に待望の二枚目が発売。ちょっと雑な感じが絶妙で流行る流行ると信じている。

おすすめ
Silver Velvet
90210

White Lung

最後は私一押しのバンドを。激情的でヘビーなサウンドとシャウトが心を揺さぶる。まだ2枚しかアルバムを出していないがすでに完成されている。ジャケットもかわいいし、これはしばらく大プッシュしようときめたのが2016年。はやく生で観たいもの。フェスに呼ばれてほしい

おすすめ
Hungry
Below

その他

知らなかったけどどうやら重要人物って人を。恥ずかしながらね。知ったかぶらないで。

Ronald Eldon “Ron” Sexsmith

GARTH HUDSON
元ザ・バンドのメンバー。すげえよね。よくその名前のこってたわ。

Daniel Lanois

Fucked Up

Broken Social Scene

Holy Fuck

Joni Mitchell
もちろん彼女の存在はよく知っている。しかし曲を聴いたことがあるかと問われれば首をかしげざるを得ない。ごめんなさい、通ってません。でも一曲だけ。大好きな曲がある。James Blakeも寺尾沙穂もカバーした「A Case Of You」だけは100回は聴いた。apple musicでね。

Neil Young
こちらも巨匠、ニールヤング。トロント出身。名前以外全く知りません。

Alanis Morissette
アラニス・モリセットについては何曲か聞いた事ああるけど記憶に残らない。名前も滅多に上がってこない、でもカナダ人に会ったときに彼女の名前を出すときっと喜ばれるだろう。知らんけど。

まとめ

以上、カナダの音楽をまとめてみた。フランス系が多いのが特徴的で、そのせいかフレンチポップに影響を受けたようなサウンドのバンドが多かった印象。一方でラッパーであまり有名な人がいない事にも気づく。フレンチラップは結構盛んなんだが。アメリカンポップスとインディー界隈ではフレンチポップ。カナダと言えばこれだ!という音楽は日本人である私には感じにくい部分もあったが、世界的スターを数多く出していることも事実。アメリカの次にセレブを輩出しているのだから。住みたいまちナンバーワンのバンクーバーをはじめ、トロントやオンタリオからも多くのロックバンドが登場している。環境も比較的よく貧富の差もそれほど大きくない自然豊かな国ならではの音楽だと感じた。